2004年11月18日

寄せられた意見の分析【3.著作隣接権】関連

《総論》

 募集前は最も多量の組織票が投じられることが予想されていた細目(34)──いわゆる「版面権」ないし「出版社の著作隣接権」だが、既に1年以上停滞したまま再開の目処すら立っていないと言う関係者間協議の状況もあってか出版業界に目立った行動は見られなかった。

各団体からの要望 寄せられた意見

《細目別》

(17)団体要望数:1 条件付賛成:1 慎重:1
(18)団体要望数:2 賛成:1 条件付賛成:1 反対:2
(19)団体要望数:3 反対:3
(20)団体要望数:2 慎重:1 反対:5
(21)団体要望数:2 反対:8


(19)〜(21)は小倉弁護士が指摘する通り、権利を集中的に処理する団体が存在しないうえ将来的に構築するスケジュールが提示されている訳でも無いのに禁止権を要求する乱暴さが目立つ感は否めない。特に(21)は番組の二次使用を阻害する要因になりかねず、特に反対が多くなっている。

(22)団体要望数:2 賛成:6

 第159通常国会で「附帯決議が踏みにじられた前例」と言うことで話題になった一件に関連する要望。

(23)団体要望数:1 賛成:1 反対:4

 大分類1の細目(5)に関連していわゆる「肖像権」を確立する意図の要望であるが、どちらかと言うと人格権の一種である肖像権を著作隣接権で処理するのは馴染まないのではないか。

(24)団体要望数:1 慎重:1 反対:11

(19)〜(21)と同じく楽曲の二次使用を阻害する要因になりかねず好ましくないと受け取られているようである。

(25)団体要望数:1 賛成:5 慎重:1

(22)に同じ。

(26)団体要望数:4 慎重:2 反対:2
(27)団体要望数:2 慎重:3 反対:2
(28)団体要望数:2 慎重:2
(29)団体要望数:2 条件付賛成:1 慎重:1 反対:1
(30)団体要望数:2 賛成:1(+総務省) 条件付賛成:1 慎重:2(+経産省) 反対:8


 現在、国際小委員会で議題となっているWIPO放送権条約に関連する物が多いが(30)のスクランブル放送における暗号解除規制に関しては経産省総務省で若干、認識に相違が見られるようである。反対意見には「不正競争防止法で対応すべき性質の問題」と言う意見が多い。

(31)団体要望数:1 慎重:5(+経産省) 反対:7

 アクセスコントロール権は著作権法の定義そのものに根本的な変革を迫るものであるが、現状では「『知る権利』の阻害」と言う側面や「個人情報の目的外使用」と言う不可避の問題も有り抵抗感が非常に根強い。

参考記事『なんでDVDコピーは「違法」なの!?』(音楽配信メモ)

(32)団体要望数:1 慎重:1
(33)団体要望数:1 賛成:1(+総務省 慎重:1 反対:1


(26)〜(30)とは対照的に、いわゆる「WebCast」に関連する要望。現在、国際小委員会で議題となっているWIPO放送権条約では米国を中心に台頭しているこの「WebCast」勢力が既存の放送局と激しい綱引きを演じるのではないかと注目されている。

(34)団体要望数:6 賛成:1 慎重:5 反対:9
(35)団体要望数:1 慎重:1 反対:2


「出版社の著作隣接権」、いわゆる「版面権」は1991年に当時の著作権審議会で導入が答申されたが、技術的問題から実現していないとされている。最近になって2003年7月に知的財産推進計画で導入が謳われるも、反対を表明している日本経団連との関係者間協議は1年半以上も停止したままとなっており「膠着状態」が続いているのが現状。また、提出されている要望の文面だけではわかりにくいが、隣接権の範囲に関しては過去の議論でも「ごく限られた範囲の報酬請求権」から「立ち読みすら禁止出来る強力な排他権」まで幅が大きく実態も定かではない。
 しかし、出版業界はこの版面権獲得を(或いは、著作権法による「再販価格維持権」的機能をも包含させることも視野に)今後の至上命題とすることが確実視されている。

(36)団体要望数:1 賛成:1 慎重:1

 大分類2の細目外意見にも同様の要望が見られたが、要望の意図するところは公正取引委員会が下請法の運用により対応する方針である。

《細目外の意見》

「域外送信の自由化」や「放送権の国有化」などの意見が散見される。また、全般的には「隣接権の拡大は著作物の利用を必要以上に妨げるので好ましくない」と言う問題意識が共有されている傾向が認められる。
posted by PublicComment at 03:00| Comment(1) | TrackBack(0) | 解説・資料 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
spogel admittee panurgic amphicarpogenous cardioid vajrasana veritable permutation
<a href= http://www.statetheatre.com.au/ >State Theatre</a>
http://groups.yahoo.com/group/circleofmoonlyte/

知的財産推進計画改訂のパブリックコメントを提出する
Posted by Gena Wise at 2007年12月16日 20:55
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。