2004年11月18日

寄せられた意見の分析【7.紛争処理】関連

《総論》

 かなり専門的な領域なので、この大分類に属する意見そのものが少ない。しかし、要望の中には我田引水な内容を含むものが何点か含まれており、そう言う空気を感じ取った意見には容赦無く反対票が投じられているようである。

各団体からの要望 寄せられた意見

《細目別》

(120)団体要望数:1 条件付賛成:1
(121)団体要望数:1 条件付賛成:1
(122)団体要望数:1 条件付賛成:1


 現行105〜111条の紛争処理規程が十分に機能していないことに関する要望。もっともと言えばもっともな要望であるが、日本行政書士会連合会の要望(121)及び(122)はいささか利権誘導臭さを感じる。

(123)団体要望数:1 賛成:1(+経産省) 条件付賛成:1 慎重:1

 紛争処理機関設置要望。迅速な処理に資する面は有るが知財高裁が来年4月に設置されるのを始めとする司法制度改革との兼ね合いに難有りか。

(124)団体要望数:7 賛成:0(+経産省 慎重:2 反対:7
(125)団体要望数:1 慎重:1 反対:3


「法定賠償制度は10年以上議論されたが結論が出なかったので見送り」と言うのが法制問題小委員会での共通認識だと言うことである。この制度を一言で表せば寄せられた意見にある『「当たり屋」に類似する「訴訟産業」を正当化するために用いられる危険性』に尽き、見送りの判断は妥当なものであると言えよう。

(126)団体要望数:1 賛成:4 条件付賛成:1 慎重:1

 この要望のモデルになっているのは米国のデジタル・ミレニアム著作権法(DMCA)第512条(f)項「虚偽の申し立て」規定だと思われる(Lessig BLOG)。日本の場合は特に、フェアユース規定の不存在も有って大企業や業界団体が中小事業者や個人に対する見せしめ的訴訟を起こして破産に追い込む事例は枚挙に暇が無いので米国以上にこのような規定を設ける必要性は高いのではないか?

(127)団体要望数:2 慎重:4 反対:6

 著作権法違反に対する罰則は年々、強化されているが罰則のみが突出した場合に、無意識のうちに他人の著作権を侵害していたが為に厳罰に処されることを恐れて新規の創作を萎縮させる問題が生じるのではないかと言う懸念は正当なものである。

(128)団体要望数:2 慎重:3 反対:4

 要望で述べられている種類の事業者は民事訴訟で(侵害の度合いを証明出来ないが故に、却って)膨大な賠償を負わされているケースも少なくないが、それに加えて刑事罰を強化するのはこの種の事業そのものを壊滅に追いやる方向へ作用し、文化の衰退に繋がるのではないかと言う素朴な疑問を抱かずにいられない。

《細目外の要望》

 二次創作の保護(禁止権でなく報酬請求権に留めるべき)に関連して「二次創作に対しては刑事罰を適用すべきではない」と言う要望が数点。

参考サイト「『ポケモン同人誌事件』を考える」(福岡同人誌イベント情報跡地)
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