2005年01月24日

CCCDは失敗だったのに──狭められる「私的複製」の範囲

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 今年9月に、それまで原則全タイトルをコピーコントロールCD(CCCD)で発売して来たエイベックスとソニー・ミュージックエンタテインメント(SME)の2社が相次いでCCCDタイトルの縮小ないし廃止を表明しました。両社とも、CCCD縮小ないし廃止の理由にiPodなどの携帯ハードディスク(HDD)型プレーヤー普及を始めとする「私的複製(コピー)を前提にした音楽の楽しみ方」が広がっていることを挙げていますが、その一方でCCCDを推進して来た日本レコード協会(RIAJ)等の諸団体は著作権法第30条の「私的使用のための複製」をさらに狭めるように要求しています。

 アップルコンピュータが発売した「iPod」は全世界で爆発的なブームを巻き起こし、今や携帯HDD型プレーヤーの代名詞とも言える存在になっています。しかし、日本では2002年3月から2年半にわたって大手レコード会社が相次いでCCCDを投入し、同時に欧米でiPodの爆発的人気を後押ししている音楽配信サービス「iTunes Music Store」は「日本の著作権法にはフェアユース規定が存在しない」ことを理由に始まっていません。iTunes Music Store(iTMS)では「軽DRM」、つまり「(1)5台までのPCで利用可能・(2)所有範囲の全てのiPodにコピー可能・(3)CD-Rにコピー可能」と言う緩やかな著作権保護機能が採用されていますが、日本のレコード会社に言わせると日本の著作権法第30条は「原則的には違法である私的複製を、取り締まりが事実上不可能なので例外的に認めているだけの『免責事項』に過ぎない。だからiTMSのような軽DRMのサービスは日本では認められない。特に、違法コピーの大元凶であるCD-Rにコピー出来るのは問題外」なのだそうです。
 しかし、そう言いながらエイベックス・東芝EMI・SMEの3社が中心になって業界を挙げ強力に推進して来たCCCDは、エイベックス・SMEの縮小・撤退により事実上の失敗に終わっています。その理由は、そもそも日本で発売されているほとんどのCCCDで採用されている「CDS-200」方式のプロテクションが音質の低下やカーオーディオを中心に一部のプレーヤーで正常に再生出来ないなどの問題点を数多く抱えた代物であったうえ、レコード会社は「正常に再生出来ない場合でも返品・交換には一切応じない」と言う極めて傲慢な態度を取っていることに他ならないのですが、当のプロテクションとしての機能も疑わしく最近発売されたPC用ドライブでは簡単にコピー出来てしまうようです。これでは何のために発売しているのやら、全く意味がわかりません。

参考‥

CCCD Channelmuplus.net
CCCD(コピーコントロールCD)特集(C堂7)
abk1's No! CCCDabk1's room

 そんな訳で、放っといても自滅する運命だったと言えなくもないCCCDですが、最近ではネットで海外の情勢を容易に知ることが出来るので、欧米でiTMSが大好評を博していると言う情報も日本の音楽ファンはたちどころに知ることが可能になっています。にも関わらず、レコード会社は世界一高い3000円のCCCDをバラまき、CDの輸入を禁止し、原盤権を楯にiTMSのサービス開始を妨害してPC1台でしか再生出来ないような重DRMの音楽配信サービスしか提供していません。
 また、テレビ放送では今年4月からBSデジタルと地上波デジタルがコピーワンス放送に移行し、将来的にはアナログ放送が全廃される予定なのでここでもやはり「私的複製」が脅かされています。

 アップルは、iTMSのサービス開始に合わせてiPodを暫定的に私的録音補償金の対象にしても良いと申し出ているそうです(カナダでは既に私的録音補償金が適用されている)。しかし、日本のレコード会社の大半は「レコード会社主導の秩序有る音楽配信」を掲げてiTMSへの原盤ライセンスに応じようとしていません。
 これは日本の著作権制度ないし関連産業全般に言えることですが「権利の強化を要求する一方でそれに見合うだけの利便性の高いサービスを提供する義務を果たしていない」点こそが、最も大きな問題なのです。どれだけ大金を投じても成功するとは限らないし、投じただけの金額が戻って来る保障など全く無いと言うことは『シェンムー』(70億円)や『ファイナルファンタジー・ザ・ムービー』(200億円)の例を挙げるまでも無く、明らかなのですから。

参考‥

日本のコンテンツ保護は厳しすぎる――なぜ戦わないのか?(ITmedia・2004年6月21日)
ユーザー置き去りの著作権攻防戦(ASAHIパソコン・2004年8月15日/9月1日合併号)

【関連するエントリ】3分間でわかる「フェアユース規定」が必要な理由
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